companyname
研究課題
古代西アジア文明研究を基点とする
「西アジア文明学」には、
多様な学術的ディシプリンが
連携することが必須であり、
それは、以下のように整理されます。
- 考古学
- 人類(ホモ・サピエンス)の西アジアを基点としての各地への拡散の諸相、農耕・牧畜・冶金等の技術の革新、西アジアでの村落・都市形成とそれに伴う環境の人工的変化(耕地、道路、運河・水路)の形成などの詳細を研究するための基礎データを提供し、これを研究します。
- 文献学(言語学・歴史学)
- 西アジアで前3500年頃に発明された書字技術は、現在のイラク、シリア、トルコ、イラン、レバノン、パレスチナ、エジプトなどの含む地域に伝播し、各地の都市遺跡から粘土板、石碑、オストラカ、パピルス、羊皮紙等に記された種々の言語で書かれた大量の文書が発見されています。こうした豊富な文字資料から、政治、行政、産業、社会制度、科学、宗教、文学、思想などの分野での人間の営みの詳細を解明します。
- 地球科学・物質科学
- 遺跡に由来する動植物の遺存体、鉱物・石材・土壌・水を分析することで、当時の自然と人間の食生活、村落・都市への資源の集積状況、年代測定等の分析を行います。また地震や災害の人間社会への影響を考察するデータを収集・分析します。さらに、自然科学的データを衛星画像分析の情報や考古学的データと照合することで、灌漑・農業用水の取水システムの変遷や、環境・資源の人間社会への影響を考察します。
- 文化財科学・都市計画学
- 西アジアが有する多数の歴史遺産を保存し、戦乱で荒廃した各地を復興に向けての開発計画を策定することで、地域社会に貢献し、人類の生活空間と歴史遺産や自然環境との共存の在り方を考察し、提言します。
- その他
- エジプト学、イスラーム学、西アジア史学、人類学、美術史等が、研究の方法論と時間的・空間的射程において古代西アジア研究の裾野を広げ、西アジア世界が周辺世界と後世に与えてきた影響を考察し、現代文明を相対化して、それを内省的に評価・再考することを助けます。