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センター概要|西アジア文明研究センター
センター概要|西アジア文明研究センター

センター概要

西アジア文明研究センターとは

西アジア地域では、紀元前8,000~3,000年頃に、世界の他地域に先駆けて、農耕・牧畜、冶金、書字法といった革新的技術が出現し、都市や国家といったダイナミックな社会システムが誕生しています。そうした環境の中で、法や宗教活動の精緻化や一神教の成立など思想的展開も早期から起こり、地球的規模で後世に大きな文化的影響を与えてきました。

筑波大学では、考古学・歴史学・言語学・文化人類学・地球科学・物質科学など異なる分野の研究者が古代西アジア研究のために協働し、トルコ、シリア、イラン、イラクなどの西アジア各地とその周辺地域で考古学的・物質科学的調査を実施して新たな研究データを掘り起こしつつ、古代西アジア世界の解明に取り組んできました。

筑波大学西アジア文明研究センターは、こうした古代西アジアを基点として展開する一連の文明史的課題に取り組むべく、学内外の様々な学問分野の研究者を連携させ、西アジア文明の古層と本質、そしてその周辺世界への影響を学際的手法で考察するとともに、それが現代にいたるまでの後世に与えたインパクトを総合的に評価するための研究を推進しています。

おもに4つのテーマ、(1)海外研究調査の支援、(2)遺跡・歴史資料救済事業、(3)シンポジウム・研究会の実施、(4)社会貢献・教育プログラム、を軸として研究活動を進めています。

(1)海外調査・国際共同研究の支援|センター概要|西アジア文明研究センター

(1)海外調査・国際共同研究の支援

イラン、トルコ、イラクなどでのフィールドプロジェクトならびに欧米の研究拠点との共同研究プロジェクトを支援し、学術情報や調査実施のノウハウなどの諸情報を蓄積し関係研究者の間で共有します。イラク・クルディスタン地域での先史時代遺跡の踏査、ヤシンテペ遺跡での鉄器時代の発掘調査、トルコ南東アナトリア地域のハッサンケイフ・ホユック遺跡での初期定住集落の様相を解明するための考古学プロジェクトなどを実施中です。また、欧米の博物館や専門図書館を利用した楔形文字粘土板史料の解読プロジェクトを実施しています。

(1)海外調査・国際共同研究の支援|センター概要|西アジア文明研究センター

(2)遺跡・歴史資料救済事業

開発などに伴い緊急に救済を要する遺跡や歴史資料などの文化財調査および保存事業を、現地政府の要請を受けておこなっています。トルコでは、劣化が進むカッパドキアの岩窟教会の躯体および壁画について、劣化抑制のための保存修復作業を実施しています。また、紛争でダメージを受けたシリア文化財に関わる調査研究をおこなうなど、各国の文化財行政担当者と協議を進めています。アフガニスタンでは、バーミヤーンにおける遺物保護・救済事業の支援をおこなっています。

(3)西アジア文明研究会の開催|センター概要|西アジア文明研究センター

(3)西アジア文明研究会の開催

研究会やシンポジウムを定期的に開催し、考古学・歴史学・言語学・文化人類学などの人文諸科学と、地質学・生態学などの環境科学、および化学分析・保存などの文化財科学を融合させた新たな西アジア文明学の確立を推進しています。海外からの研究者を招致した国際シンポジウムの開催、海外の学会、研究会への研究者の派遣もおこなっています。

(4)社会貢献・教育プログラムの実施|センター概要|西アジア文明研究センター

(4)社会貢献・教育プログラムの実施

フィールド教育プログラムを実施し、調査研究のノウハウを大学院生・学生に教授します。