カッパドキアの聖シメオン教会の保存に関する研究会

世界遺産であるカッパドキアは、ビザンツ時代の教会そのものの価値に加え、キノコのように林立する凝灰岩の景観が貴重な文化資源となっている。この独特の風景は、軟らかく脆弱な 凝灰岩が風雨による浸食、日射による熱応力、凍結融解等、いわゆる岩の劣化によって生み出されたものといえる。今回、パシャバー地区の聖シメオン教会(10 世紀初頭) を対象として、周囲の環境、水との相関など、劣化要因のモデル化し、内部の壁画の亀裂を伴う岩窟教会における深刻な劣化現象に対して、現地の管理者自らがこの劣化現象を抑制、緩和することができる汎用性のある対策手法を提案・試行し、検証評価を行うことを目的としている。遺跡の価値として、内部の壁画の技法材料調査、適切な保存修復方法、材料の提案もこのプロジェクトで実施しているため、その報告も併せて行いたい。

プログラム
谷口 陽子 「聖シメオン教会の保存に関するプロジェクト概要」
菅原 裕文 「カッパドキア岩窟聖堂のデジタルドキュメンテーションの可能性と活用法ーアギオス・シメオン・スティリティス聖堂の事例から」
伊庭 千恵美 「微小環境モニタリングの解析」
高嶋 美穂 「クロスセクションの分析、膠着材の分析(ELISA およびLC-MS)」

ディスカッション

〈日時〉 2021年4月1日(火) 13:30-
〈会場〉 MS Teamsを用いたオンライン開催

※ 参加をご希望の方は、招待をお送りしますので taniguchi.yoko.fu[@]u.tsukuba.ac.jp(筑波大学・谷口陽子)までメールでご連絡ください。([@]を@に変換願います)

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