「アルジェリア独立戦争と都市および農村のイスラーム実践」報告会

3月10日金曜日に、新学術領域研究「西アジア都市」計画研究06「西アジア地域の都市空間の重層性に関する
計画論的研究」(研究代表者:松原康介)による研究発表会を開催します。

〈日時〉 2023年3月10日(金) 17:00-18:30

〈会場〉 東京大学 東洋文化研究所

〈形式〉 会場とZoomによるハイブリッド

〈報告者〉
 渡邊 祥子(東京大学 東洋文化研究所)

〈コメンテーター〉
 山本 沙希(立教大学 異文化コミュニケーション学部)

〈登録方法〉
会場での対面参加、オンライン参加ともに事前登録が必要です。3月8日(水)13時までに、以下のフォームからメールアドレスその他の参加情報を登録してください。折り返し詳細をお送りします。なお、大学の感染症対策ガイドラインに基づき会場参加できる人数に制限があるため、申し込み状況次第では会場参加をご希望の方にオンライン参加をお願いすることがあります。あらかじめご了承ください。
登録フォーム:https://forms.gle/Ejtgav74xddMXGPq6

報告要旨:
 本報告では、1958年にフランス当局が行った「イスラーム実践に関する調査」の史料の分析を基に、アルジェリア独立戦争(1954–62年)中のアルジェリア社会の変容について考察します。
 独立戦争中のアルジェリアでは、アルジェリア民族解放戦線(FLN)とフランス軍の激しい戦闘のなかで、都市と農村の双方において人々の生活は著しく制限されました。フランス当局により夜間外出禁止令が課され、立ち入り禁止区域が設けられたほか、農村の人々を解放運動から切り離すため、住民を人工的に用意された拠点に移住させフランス軍の管理下に置く住民集住(regroupement de la population)政策も行われました。このような中で、伝統的な宗教権威の社会的影響力低下が指摘され、男女の服装や生活様式にも変化が見られるようになりました。フランス当局はこうした変化をムスリム社会の「世俗化」の兆候と解釈しましたが、そのような理解は果たして正しかったのでしょうか。
 アルジェリアの女性労働やジェンダーの研究に取り組む山本沙希氏をゲストにお迎えし、コメンテーターを務めていただきます。また今回の報告は、2022年11月にシュレフ大学で行われたシンポジウム「アルジェリア革命:人々の支持とフランスの戦略の間、1954–1962年」への参加報告、およびピエール・ブルデュー、アブデルマーレク・サイヤード著『デラシヌマン』(1964年)の翻訳事業の報告を兼ねています。

協力:在日アルジェリア大使館
連絡先:渡邊祥子(shoko_watanabe[@]ioc.u-tokyo.ac.jp)

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